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2007年2月28日午後4時、とある公立高校では卒業式を明日に控え体育館では式場準備が着々と進み、卒業生たちには仲間との別れを名残惜しむ姿があちこちに見られた。そんな別れの瀬戸際で今まさに心の中が揺らいでいる男子がいた。
彼の名は水沢翔太。この学校の3年C組の生徒である。
「はぁ~……どうしよ」
翔太は焦っていた。同じクラスの村崎天音に恋をしていたが、卒業すればもう会えないかもしれない。
天音は学校でも有名な美人で成績も良い、まさに才色兼備とはこういう人の事を指すのだろう。当然天音にアタックする男子は山ほどいたが、その誰もがことごとく撃沈していた。
かたや翔太は特に顔が良いわけでもなければ背も高くない。女性に第一印象をきけば、“優しそう”と言われるのが関の山だろう。そう自他共に認める“普通くん”である翔太はフられることを恐れていた。そうして幾度も恋をあきらめてきた。
ただ今回は時間がない。
「後悔するならやらないよりやった方がいいって言うじゃん!?」
と友達の説得もあり、翔太は告白することにした。
「わかった…じゃあ明日、卒業式の後にな…」
そう言ってその日は帰ることにした。友達に後押しされたこともあり校門を出るときの翔太の
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