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『そのドアの向こうには3つのドアの部屋、同じように4つのドアの部屋、8つのドアの部屋と続きます。これらの全ての部屋で正しいドアを通ることで初めて脱出への道が開かれます。各部屋ごとのヒントを参考に正しいドアを選んでください。以上が基本のルールです』
(割とシンプルなルールだな)
翔太はこの状況を夢だと判断した。ならばこの脱出ゲームに乗らないでもないと思った。更にアナウンスは続く。
『続いては注意事項とゲームオーバーについて説明いたします。この空間に滞在できるのは2時間です。また、1つの部屋にいられるのは10分です。どちらかを過ぎてしまった場合ゲームオーバーとなり、現実では戸籍・書類・人の記憶などからあなたの存在が全て消去され、この空間からも消されてしまいます』
(そんなのまであんのか…リアルな設定だな)
翔太はこのシビアなルールに恐怖感を覚えたが、所詮夢だ、都合が悪くなったら目覚めればいい、と考えていた。
『以上で説明を終了させていただきます。なお、現在5名の方々がチャレンジ中です。それでは…ゲームスタート』
合図と同時に翔太は目を覚ました。そして愕然とした。翔太は“目が覚める”という行為も夢の中の出来事だと思っていた。
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