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少女の顔が静かに海に沈んでゆく。
あれ?呼吸しなくてもいいんだ。
そうだよね、たぶん…
私はもうとっくに死んじゃっているんだ。
この海は、本当の世界と、
あの世の世界のちょうど狭間にあるんだろうな
このまま、ぶくぶくと、沈んじゃえば、
私はきっともう、本当に死んじゃうんだ。
音もしないし、寒くも暑くもない
塩水なんだろうけど、味もしない
もちろん、水の中だから
匂いもするわけないんだろうけど
これで、どんどん落ちて沈んでいって
暗くなっていったら
私は、泡になっちゃうんだろうか?
死んじゃうってこういうことなんだろうな
どんどん、神経が麻痺していっちゃって
どんなことにも、痛くもなくなる
どんな哀しいこともなくなっていく
どんなものも、みえなくなってゆく・・・。
瞳を閉じてしまう少女
どんどん、深い海に沈んでゆく・・・。
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