第一章・―出逢い―

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 こいつ、一体どういうつもりなんだ。遅れてきておいて、片手を挙げて謝るだけだと……? 「テメェ、人を馬鹿にすんのも、いい加減にしやがれ」 「いや、本当に済まなかった。歩いている時に、ふと思ってな。……そういえば、初めてお前と逢った時も、こんな夜だったなってさ」  MADMAN、テメェいつからセンチメンタル野郎に成り下がった? そう言いかけて止めると、同じように空を見上げ、過去に思いを馳せる。  こいつと出逢い、共に生きるまでの俺は、本当に今の生活と正反対の、今からだと到底考えられないような、真面目な人間だった。  そんな俺の生き方を変えた出来事、それは――。
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