第一章・―出逢い―

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 父親のように、誰からも尊敬される存在になる。その目標を達成するためならば、辛い試験勉強も乗り越える事が出来た。  苦労に苦労を重ね、難関とも言える司法試験を突破し、俺は遂に刑事への道を歩き出す。  その頃には俺にも想う相手がいて、司法試験をパスしたらプロポーズをするつもりだった。  合格通知を受け取ったあの日、刑事になってからの忙しい日々、妻との新婚生活。今思えば、その日々が俺にとって最高のもの、だったのかも知れなかった。  そう、全ては俺が刑事になった瞬間から始まっていた。  運命の歯車がゆっくりと動きだす。それに逆らう事なんて、到底出来なかった。
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