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全員が起きて数分後にガラッと勢い良く前方にあるドアが開く。
入ってきたのはモデル並の容姿の女性。
「皆さん、おめでとうございます」
女性は笑顔でそう言った。
もし鎖で縛られていなかったら、ここにいた全員が嬉しそうにはしゃいだだろうが、状況が状況なだけに顔を歪めるしかなかった。
「皆さんは政府に殺人鬼として選ばれた方々なのですよ」
女性の言葉に驚いてカッと目を見開く。
理解できない、というよりはしたくない。
殺人鬼に選ばれたって何だよ?
「この国の人口は決まっています。そして1年単位でほぼ同じになるように揃えなくちゃいけないの」
少し困った口調で女性は続ける。
僕らは喋りたいのに声が出なくて口をパクパクしていた。
「でも政府のお偉いさんなんかは殺せないでしょう?そうすると必然的に小さい子を殺す機会が増えちゃうんですよね。そしたら、少子高齢化問題とか起きちゃって…」
ため息を吐く女性。
こんな事あるはずがない。
政府が人殺してるだとか、俺が選ばれただとか…
夢だ!これは夢に違いない!
そう思い込もうとした。
それからのことはよく覚えていない。
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