ある朝

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『(男だけど…)はい、居まっすお』 『あなたの事どう思ってるか知りたくない?これ一個だけ売れ残っちゃったのよ…タダにしてあげるからもらってくれない?』 手渡されたのは桃色の包み紙に入った飴玉 『これ食べた人はね、自分の願いと食べさせた人に対する本音が分かるのよ』 『本当ですかぁ!?うっひゃぁ、いいもの手に居れちゃったよぉ』 『効果は食べてから七時間効くからね』 『分かりましたぁ!ありがとうございます♪』 ………って事があったような あれ…だとすると… ①師匠の件 『ねぇねぇ曽良君、私の事尊敬してる!?』 『いえ、まったく』 『…………』 って事があったけど…本当は尊敬してるんだ…… ②大好きの件 『曽良君っ、好きだよ』 『芭蕉さん、嫌いです』 『………………』 ってゆーのも………!? 自分でも分かるぐらい微笑んでいる ③女体化 『芭蕉さん』 『ん?』 『男の僕を抱いて楽しいですか?』 『…楽しいとか、そんなんじゃないよ。私は曽良君が好きなんだから』 『でも、…僕はあなたの子供は産めません。僕が女なら…っ』 『そうだね。曽良君が女の子だったら、きっと結婚してたよ』 『……』 『だけど、男の曽良君が好き』 『……………はぃ』 曽良君の願いって……… こっちに背を向けて支度している曽良君を、私は真っ直ぐにみつめた 「曽良君!」 「はい?」 振り向く曽良君。 私は精一杯の笑顔で言った 「ありがとう」 「またボケたんですか?大馬鹿が」 曽良君はまた背を向けたが、しばらくたってから 「いいんですか。……男でも」 「!!」 もしかして、曽良君覚えてる!?
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