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「寝れへん…」
ポツリと呟く、深夜3時
呟きはあっという間に、夜の闇へと消える
「寂しいなぁ…」
どんだけ呟いても、一緒
消えてくだけ
(PRRRR...)
そんな静寂に、鳴り響いた着信音
誰なのかも確認せずに、通話ボタンを押した
『亮ちゃん、大丈夫?』
耳に入った第一声は、それで
『寂しくない?』
寂しいよ
でも、迷惑かけたないし、口には出さない
『……亮ちゃん寝るまでここにおるから、お話しよ?』
何かを察したような溜め息と、オレのプライドを傷つけないように選ばれた言葉
全部、お見通しってこと?
「……寂しい」
わかってるなら、ええや
こぼれ落ちる、素直な言葉
「寂しいけど、大丈夫。仕事、頑張って?」
わかってるよ、オレも
仕事の合間をぬって、電話くれたこと
やから……
「ありがとう、大好き。…待ってるから。」
end.
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