†恋の鐘。

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  「おい、原田にキスしたってホンマか!?」 朝の教室に響き渡る雑音。 爽やかな天気だっていうのに…一瞬にして、気分はどんぞこ。 「はぁ…」 あたしが溜め息を吐くと、その男子が振り向いた。 「なぁ、お前彼氏と別れたん?」 「別れてません」 「なのに、キスしたん!?」 「ただの事故「お前意外やなー!」 「だから、ちがっ「あんなイケメンな彼氏おるのにー」 答える暇もなく、弾丸のように降ってくる言葉。 同じクラスの、確か…佐藤だ。 関西の人はよくしゃべる、と聞くけど、こいつは論外。 関西の人がみんなこれじゃ、日本パニックおこすわ。 肩にかけたギターケースをかけなおし、教室を後にした。 でも、いくらなんでも焦った。 こんな大きい事になるとは、思ってなかったから。    
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