†恋の鐘。

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  「いきなりなんだけどさ…」 ギターから三島君に、視線を移した瞬間だった。 ―――――ドサッ 視界が一回転し、三島君の顔がすぐ傍にある。 あたしはすぐに顔を反らした。 「何で拒むの?」 「あたしには…」 「"霧島豊"しかいない?」 "霧島豊" あたしの愛しい人。 あたしが首を縦に振ると、三島君の表情がこわばった。 どんどん近づく顔。 あたしは顔を反らした。 そんな抵抗も虚しく 「…んんッ」 唇に感じる生温い感触。 全身で吐き気を感じた。 あたしが思わず三島君の急所を蹴ってしまい、三島君はその場に倒れた。 体をよじらせ、声にならない悲鳴をあげている。    
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