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何故かムシャクシャしたあたしは、思いきり地面を蹴った。
その反動で、あたしは後ろにひっくり返って
あぁ…ついてない。
大好きな人の彼女になれたのに、相手にされなくて。
泣きそうなときだけ、寂しくなるときだけ、頼って迷惑かけて。
あたしは、ただの都合のいい女。
本当にあたしは豊の何なんだろう…
頭打って意識飛べば、まともな人になれるかな。
なんて、意味不明な考えに納得し、目を固くつぶった。
「…っ、危ないってば」
ふわりと漂う海のような匂い。
豊だった。
「ごめん…なさい」
あたしは俯くと、豊は何も言わずにあたしの腕を引っ張り歩き出した。
驚く事は何一つとしてなかった。
全部いつもの事。
あたしと豊の恋は、毎日毎日同じ事の繰り返し。
そんなの、恋と呼べるのだろうか。
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