Ⅰ 星那の夢

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  人魚の石像は、あたしを振り向くと、涙が潤む瞳で見つめた。 「セナ、あなたを、お待ちになっていらっしゃるわ。」 信じられない光景に、あたしの頭はパニックになった。 ─ こんなの有り得ない‥ とても怖くなって、あたしは泣きそうだった。 ママ達のところに戻ろう。 そう思った途端‥ 「痛ッッ!!」 両足に激痛が走り、ピリピリとした痛みが全身に伝わった。 なにがなんだかワケが分からなくて、あたしは、やっぱり泣きそうだった。 ── 星那‥ 人魚の石像とは違う、さっきの不思議な声が聞こえる。 辺りを見回すあたしの瞳に、黄色のハイビスカスの花が揺れた。 あたしは、まだズキズキ痛む自分の足を見た。 ─ えーッ?!   ま、ぢ、で、す、か?  
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