Ⅰ 星那の夢

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  幼い頃、人魚姫になりたかった。 確かに今、その夢は叶ったけど‥ 「信じられへんけど、なんか嬉しい♪だって人魚やもん!」 ナンテ、喜んでる場合でもナイ。 段々と息苦しくなって来て、カラダが水を強く求めているように感じた。 ── 星那‥ 「行かなきゃ‥。」 状況が理解出来ないまま、だけど強い力に引き込まれるように、あたしは海へと向かった。 ─ とにかく、行かなきゃ‥ 足が無いから両腕を使って、白いビーチを匍匐前進。 だけど、考えたら、あたしってまともに泳げないんだ。 んでも、人魚だし‥。 てか、匍匐前進て‥どぉなん? ── 星那‥ 呼吸もままならなくなった頃、ようやく着いた海に、カラダを滑らせた。  
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