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幼い頃、人魚姫になりたかった。
確かに今、その夢は叶ったけど‥
「信じられへんけど、なんか嬉しい♪だって人魚やもん!」
ナンテ、喜んでる場合でもナイ。
段々と息苦しくなって来て、カラダが水を強く求めているように感じた。
── 星那‥
「行かなきゃ‥。」
状況が理解出来ないまま、だけど強い力に引き込まれるように、あたしは海へと向かった。
─ とにかく、行かなきゃ‥
足が無いから両腕を使って、白いビーチを匍匐前進。
だけど、考えたら、あたしってまともに泳げないんだ。
んでも、人魚だし‥。
てか、匍匐前進て‥どぉなん?
── 星那‥
呼吸もままならなくなった頃、ようやく着いた海に、カラダを滑らせた。
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