Ⅰ 星那の夢

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  「ほら、夕陽。ちゃんとズボン履きなさい!」 「暑いからイヤや!」 夕陽は部屋の中を走り回って、全然言うことを聞かない。 「ママー!ユーがズボン履かへんー!」 結局、ママに叱られて履くことになるのに、いつもこうなんやもん‥ 「早く空港に行かないと、パパが着いちゃうやん。」 慌てて支度をしているママは、あたしの自慢。 18歳であたしを産んで、それだけでも同級生のお母さん達よりずっと若いのに、その上、実年齢よりも若く見えるんだ。 まだまだ、独身で通るのがママの自慢。 そして、それが心配性なパパの悩み。  
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