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「メルアド教えて!」
勇気を出して、君に喋りかける。
たった一回クラスマッチで同じチームになっただけなのに、急にメルアドなんか聞いて迷惑かな?
「いいよ、赤外線でいい?」
君の後ろの女の子が言ってきた。
貴女じゃないのに、話したいのは、貴女じゃないのに。
「あ、ありがとう」
とりあえず、交換をすませた。そして、目の前の君に、話したこともない君に。
「ねぇ、君のも頂戴?」
うざいかな?話したことも、全然ないのに。
「あ、わかった。……はい」
そう言って、君は携帯を僕に向けてくる。
たったこれだけなのに、何故か胸が高鳴り、嬉しくなる。
初めての感覚に戸惑いながら、念願のアドレスを交換した。
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