0人が本棚に入れています
本棚に追加
そして何かを思い出した様に突然走り出す。
「何をしても無駄」
声はそうやって言う。
無視をして電車に乗り、高校の友達の悠人の家へと行った。
「・・・俺の事、忘れてる?」
そこには何事も無く過ごしている悠人。
弘貴の名前は一切出てこない。
「うそだろ・・・」
弘貴はまだ事実を認められずに居た。
「携帯のメール見てみろよ」
弘貴は携帯のメールを見る
今まで送受信したメールがどんどん消えていって居るのだ。
弘貴の手が震える。
「お前が居ても居なくても何もかわらねーんだ
みんないつものように過ごしてる
お前はただの飾りでしかねーんだよ
つーかまだ信じれねーのか、なら学校も見せてやるよ」
弘貴は2010年9月1日へ飛ばされた。
始業式、弘貴の友達達は廊下で喋っていた
弘貴と言う言葉は一言も出ない。
席は詰められていて無い事になっていた。
クラスで喋れる人も普通に他の人と喋っている。
弘貴をいじめている奴等もいつもと同じように、
いじめが無いだけ。
「ほらな」
声は言う。
「でも悠人は俺が居なかったら
正樹と友達になれなかった筈だ!」
悠人と正樹が友達になれたのは
弘貴がきっかけ。
「でもあの悠人だぞ?
友達になりたいと思った人間には絶対に話しかける筈だろーが
お前の彼女の時も同じだろ?」
悠人は話し上手。
そして友達になりたいと思った人間にはとりあえず話しかける。
何も言い返せなくなった弘貴は
「彼女は・・・彼女は俺を忘れないはず」
と震えながら言った。
「そうか?
なら携帯を見てみろよ」
弘貴は持っていた携帯を開く
待ち受けが前の画像
さっきメールを見たときとは違う
本当は彼女とお揃いの画像の筈なのに。
「それはお前の彼女がお前の事を忘れた証拠」
ただ呆然と、待ち受けを見て立ち尽くす弘貴。
「彼女の所に飛ばしてやるよ」
最初のコメントを投稿しよう!