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霧島君が転校してきてから
一週間が経っていた
体育教師である笠原の声が運動場に響く
「よーし体力測定するぞ。皆並べ」
私の1番嫌いな教科…体育
しかも今日は体力測定だ
50㍍走や反復横跳…目眩がした
それから20分かけて
なんとか全ての測定が終わり測定表を見た
川崎 夏菜
50㍍走 9秒3
握力 右28 左26
反復横跳 31
ソフトボール投げ 11㍍
以下省略
予想通りの結果だ
ふと霧島の欄が目に入った
霧島亘
50㍍走 5秒8
握力 右68 左67
反復横跳 62
ソフトボール投げ 70㍍
以下省略
凄すぎる…全てがクラストップ!
「霧島君。凄いね」
ふと霧島君を見かけた私は声をかけた
「ありがとう」
彼は言葉少なげにはにかんで見せた
「あ、一昨日の抜き打ちテスト…どうだった?今日返ってくるらしいよ」
霧島君は何かを考ながら答えた
「そんなに難しくはなかったかな」
「え?私なんてきっとまた欠点だよ…っていうか転校生来て早々抜き打ちだなんて鬼畜だよね」
「勉強。苦手なの?」
霧島君は苦笑いしながらそう言った
「次の授業になればわかるって」
そうため息をついて
更衣室に走っていった私は
その後ろ姿を見ながら
不適な笑みを浮かべていた霧島君の視線には気づくはずもなかった
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