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テスト返しが終わり
席についた私に霧島君は微笑んで言った
「欠点じゃなかったみたいだね」
その言葉に思わず
笑みがこぼれた
「うん。で、霧島君は?」
「100点だったよ」
そう言った彼が差し出した
解答用紙には×が一つもなかった
「す…凄い」
どうやら先生が見ていたのは
私なんかではなく
彼だったみたいだ…
「今回のテストで平均点以下だった者は来週月曜日の放課後に再試験をするからしっかり勉強しておくように」
「先生、欠点じゃない人もですか?」
私はテスト用紙を先生に見せて
堂々たる言を飛ばした
「当たり前だ来週も50点を越えないようなら夏休みは辞書のような宿題になるから頑張れよ」
♪キーンコーンカーンコーン
先生が言い終わると
チャイムが鳴り響いた
「じゃあ平均点以下組は頑張るように」
そう言い残し
先生は教室をあとにした
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