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その日の放課後
私は掃除をしながらため息をついた
「はぁ。なんで欠点じゃない私まで」
「月曜日に50点以上採ればいいだけじゃん」
掃除の班が同じだった霧島君は
けろりとそう返してきた
それを聞いた私は
少しムッとした表情で答える
「そりゃ頭がいい霧島君には馬鹿の私の気持ちなんか分からないよ」
あっ…しまった!
と思って彼の顔を見ると
案の定、唖然とした様子だった
「……………」
一瞬で不穏な空気が流れた
「き、霧島君に勉強教えてもらおっかなぁ……なぁんて」
苦肉の策だった
「………別にいいよ?」
ニコッと笑う彼に
救われた気がしたのは気のせいだろうか
「ほんと!?霧島君のお家に行ってみたい」
勢いで少し調子に乗ってみた
「…うちは駄目なんだゴメン」
目をふせながら彼は
私の発案を拒んだ
「あ、冗談。冗談だから本気にしないで。じゃあ図書館にしようよ」
手をぶんぶんと振り
そう提案すると
「じゃあ今日から始めようか」
「うん!」
その後掃除を終わらせ
私達は校門を出た
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