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「………あれ?死んでない………」
まぁ、死んだら生徒暴行事件ですが………とにかく、俺は死にませんでした。
「こ………黒板消しは何処だ!?」
「消えたの!?!?ウソーーーー!?!?」
静寂に包まれていたクラスが一気に賑やかになった。皆、回りの人達と黒板消しが消えた奇怪現象について、言いたい事を言い合っていた。俺は目を瞑っていた為に何が起きたか分からず、隣の櫻井さんに視線を合わせた。櫻井さんも澄んだ瞳で見つめてきた。
「ふぅ……良かったでござる♪どこの世界でも、常に危険は隣合わせでござるな♪」
………もしや??
櫻井さんは軽く額を拭きながら、やりきった感を醸し出していた。
「あの………黒板消しはいづこに?」
「飛箭の如く飛んで来た物でござるか?それはどっかに飛ばしたでござる……」
飛箭(ひせん)?何だそりゃ?意味は分からないが、櫻井さんが何かしたことは間違い無さそうだ………
「櫻井さん!!俺のフォースを見たか!?凄いだろ!!」
――ゴッ!――
「って~~~~……何すんだよ、ニノぉ!!」
……何だかムカついたんで、殴っときました。スターウォーズバカも大概にしろよっ!
……なんて考えていると、テッチャンの横に大柄な体が現れました。
「お前が殴る気持ちも分かるぞ!」
「あ、先生………」
仁王立ちで現れたベジーは、テッチャンと櫻井さんを交互に睨んでいた。テッチャンは俺に殴られた頭を抱えながらあの有名なセリフを唱えた。
「お前が僕の父を殺したんだ!」
「先生はな、その気になればお前も殺せるんだ。」
ベジー…………それ教師のセリフじゃないっす………
ベジーはアジエンスを使った髪の毛並にさらっとテッチャンの言葉を受け流し、櫻井さんとテッチャンの襟首を掴んで、あの決めゼリフを唱えた。
「さあ、積もる話は職員室で聞こうか!」
「な……俺をダークサイドに導びくつもりか!?」
「な、何故拙者も!?」
「山本、お前はもう十分ダーク(ブラックリスト)だ!櫻井もべらべらと会話をするな!他の者は今日はもう帰ってよし!明日の身体測定忘れるなよ!!」
「僕はジェダイだ!僕の父がそうだったように―――」
「拙者は家に帰らないと冷蔵庫の熊の肉が―――」
……………さて、帰りますか……………
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