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連行された二人を尻目に、まず廊下に出ると、どういう訳か、廊下の壁側に人だかりができてました。人々はみな壁の方に視線を注いでいます。俺は無視して下駄箱に向かうつもり……
………でしたが、近くを通った時、視界に微妙に映ってしまいました。
「………あっ!」
俺の目に止まったのは、壁に黒板消しを貫いて刺さっているクナイでした…これって………
「…………」
俺はその場を他人のふりでスルーしました。いや、櫻井さんに助けてもらったんでちゃんと返そうとも思ったんですが、さすがにあの人だかりの中であのクナイを持っていくのは恥ずかしいんで……
「さ、櫻井さんには飲み物で返そう…」
俺の足は下駄箱に行かず、学校内にある自販機へ向かいます。俺の財布、最近ダイエット気味………
――ドスン!
(ん?お腹に柔らかな食感が……)
俺はなんか胸にくっついている物に手を伸ばすと、フサッという感触がありました。………『フサッ』?
「ぷぅ!……い…痛い……」
「しゃ…喋った!!」
「ふにゃ……!?」
変な奇声に反応して、視線を落とすと………
「ご…ごめんなしゃい!!」
少し茶色がかった髪を高い位置で束ねたツインテールのし……し………小学生?小学生なの!?小学校はどうした!?
……って、くらい小さな少女です。あれですね、あのロリとかいう………そんな感じ……
「あ…………あのぉ………」
気付くと、少女は円らな瞳がこっちを見上げていました。俺はロリコンでは無いんですが、慌てたリアクションを取ってしまいました。
「は、はい!?ど…どうかしましたか?」
「………手を………////」
「…………あ!」
俺ってば自分のおててを少女の頭に置いてってました!おててのシワとシワを合わせてシワシワ~~~~♪じゃなくて、謝ります。
「すみません!!」
「い、いえ………////」
少女が顔を熟れたトマト並に赤くしていると、俺の後ろから声が響きました。
「朔弥!?何してるの?早く来なさい!」
「……は、ふあぁぃ!」
ロリっ子少女は髪をなびかせて、俺の後ろへパタパタと走って行きました。可愛いなぁ………あ、変な意味では無いです、ホントです!神に誓って!!
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