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第八話:開幕:
翌日、快晴の空の下球技大会が開催された
「あ、暑い……。蝉さん静かにして…。」
炎天下の中で立ち尽くす空、いや…全校生徒
毎年恒例の長い長い校長のお話だ
全校生徒が校長に嫌気をさす一時である
その後、校長の話が終わると準備体操
競技中の諸注意などの指導も終わり
それぞれが各種目に別れ準備を行なう
空と美佳子が参加する種目は野球のようだ
空が野球を選択したのは毎年野球に
参加している秀一の野球の試合を観戦する
ためであったが、今となってはその必要性も
なくなり空は心なしか憂鬱そうな
顔をしているのが美佳子には見てとれた
グラウンドに入る秀一
初戦は同じクラスの男子の試合のようだ
相手は同学年で強豪が集まるチームだった
両チーム全員がダイヤモンドの中心に並ぶ
キャプテン同士が握手を交わす
そしていよいよ
審判の合図で試合が開始された!
一回表
秀一のチームの攻撃
一番バッター
サードゴロで倒れ1アウト
二番バッター
ショートライナーで倒れ2アウト
三番バッター
センター前ヒット!
2アウト一塁
四番バッター
とうとう秀一がバッターボックスに立つ
空はハラハラと秀一を見守る
「秀一…打って!!」
自然と秀一の活躍を願ってしまう空…
「あれ…私もう諦めた筈なのになんで…?」
自分が分からなくなった空
諦めると決めた筈なのに…
私の覚悟はそんなものかと自分を責める空
もう好きにはならないと思っていたのに…
抑えていた様々な感情が溢れる…
しかし、空にはすぐに
[もう秀一を好きになってはならない]
という強い悲しみの感情が全てを押し殺す
「(そうだ…今は大会に集中しなきゃ…。)」
パンッと自分のを両頬をビンタする空
そして、この試合…結果的に秀一の
活躍により5-1でチームは勝ち進んだ
そして、数十分後
空の試合が始まろうとしていた…
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