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第十話:敗戦:
保健室に入る空と美佳子
『失礼します。』
はーいとこちらに背中を向けていた
身体をこちらに向ける保険医
「あら、あなたはこの間の…。野球部の…
そうそう天川君と一緒に来たわよね。
ってあら話してる場合じゃないわね…。
えっと…そこの椅子に座ってね。」
そう言われ静かに椅子に座る空
保険医がいそいそと治療を開始する
「ごめん美佳子…。試合行っていいよ?」
美佳子を気づかう空だが、美佳子は怒る
「空…どうして私に言わないのバカ!!」
美佳子は涙ぐんでいる
「ご、ごめん…大切な試合だったから…。」
「空の怪我の方が大変でしょ!まったく…
秀一君が審判に言わなかったら
どうなっていたか…。」
その言葉に空は驚いた
「えっ?秀一が審判の人に言ったの!?」
その質問に冷静に答える美佳子
「おそらく、ね。あの時見たの。突然走って来て深刻そうに何かを審判に話す秀一君をね。まぁその後も審判に近づく人はいたし、
キャッチャーかも知れないしバッターかも知れない。だからそうとは限らないわよ?」
美佳子にそう言われるも
空は嬉しさでいっぱいだった
ニコニコとする空を見て、美佳子は言った
「空…空の中で色々解決したと思って
いいんだね?空、秀一君のこと…好き?」
美佳子もニコニコとし、空に確認をする
すると、空は満面の笑顔になって言った
「うん、解決したよ。ねぇ…美佳子…?
この間は知らない何て嘘ついてごめん…。」
しゅんとした顔で素直に誠心誠意謝る空
しかし、美佳子は…
「え?はて、空…そんなこと言ってたっけ…。
私は秀一君が大好きとしか聞いてないよ?ねぇ、そんなことより、秀一君…好き?」
そう言われ、空は美佳子がなかったことに
してくれているのが分かり、何も言わず
心の中で感謝した
そして、空は満面の笑顔で言う
「うん!私ね…
秀一のことが世界中の
誰よりも大好きだよ!!」
それを聞き、安堵する美佳子
「よかったぁ…それでこそ空だよ!!」
美佳子も満面の笑顔になる
そして、治療を終えた二人は試合の状況を
確かめるために外に出た
しかし…
「もう最終回の裏だね。えっ…8-1…!?」
二人は驚いた
大差で…負けていた…
その後、二人が応援席で必死に応援するも…
結果、試合には負けてしまった…
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