第十二話:夢野姉妹物語:

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瑠華は梨華に駆け寄る 「見つけた…梨華姉ぇ…。」 その声を聞き、静かに顔を上げる梨華 「瑠華…どうしてここが分かったの…?」 梨華の目は涙でいっぱいだった 「えっとね?空に教えてもらったんだぁ!」 えへへと笑う瑠華に梨華も小さく笑う 「ねぇ瑠華…私のせいで 試合に負けちゃってごめんね…?」 罪悪感でいっぱいの梨華は瑠華に謝る しかし、瑠華はまた笑った 「あはは、梨華姉ぇのせいじゃないよ! 最初の方からいっぱい点差ついてたもん! だから、泣かないで…?梨華姉ぇが泣いてるとね?私も悲しくなっちゃうんだよぉ…。」 梨華の隣に座り一緒に泣き始める瑠華 「ふぇぇぇえん…ふぇぇえん…。」 瑠華と抱き合い一緒に泣く梨華 「もう…なんで瑠華が泣いてんの……。」 梨華のその言葉に答える瑠華 「だって…私の大好きな梨華姉ぇが泣いてるんだもん…。一人で苦しんでるんだもん…。 だからもう一人で泣かないで…? 泣くときは私も一緒に泣かせてよ…。 私にも梨華姉ぇの苦しみを分けてね…。」 自分のために泣く瑠華に梨華は笑う 「ありがとう…瑠華…。 私も瑠華が大好きだよ。 私ももう一人で泣かないから…瑠華も一人で泣かないでね…。私にも瑠華の苦しみを分けてね…。ずっと大好きだよ瑠華…。」 さらに強く抱き合う梨華と瑠華 そして二人は離れ 桜の木の下で 仲良く手を繋いだ それを影から見ている二人は笑った そして美佳子から質問が投げ掛けられる 「ねぇ空?なんで空は梨華が ここにいるって分かったの…?」 少し考え質問に答える空 「…去年の話なんだけどね…りっちゃんと 校庭で一緒にシャボン玉で遊んでたの。 その時、突然りっちゃんがシャボン玉を 追いかけて行っちゃって…私もすぐに 追いかけたら、りっちゃんがこの桜の木を 見て立ち止まってたんだ…そして、言ったの “空…この桜の木…かわいそうだよ…。 みんなと仲間外れにされてこんなところで ずっと一人ぼっちだなんて…寂しいよ… 悲しいよ…でも、この木はおっきいね… この桜…きっと強い子なんだね!! でも、きっと一人ぼっちは寂しいから… 私が時々君に会いにくるから安心してね! 君は話せないけど…ずっと傍にいるよ…。 だから、私が辛い時や苦しい時は 私の話を聞いてくれる…? あはは、返事なんてする訳ないか…。 その時…無風だった風が突然吹き ザザァァ…と葉が揺れ動き [ありがとう、もちろん聞くよ]って 返事したように聞こえた…。”
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