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第十三話:決勝戦:
翌日、秀一達のチームは順調に勝ち進み
午後に昼休みを挟み同学年のチームとの
決勝戦が行われる
試合開始が目前となり、徐々に観客席に
生徒や教員が集まり始める
そこにようやくたどり着く空と美佳子
「りっちゃんとるーちゃんどこだろ…。」
梨華と瑠華を探す空と美佳子
二人には席を確保してもらっているらしい
そこに、遠くから幼児のような
甲高い声が響いた
「空ー!美佳子ー!こっちこっちぃ!」
声の主は瑠華だった
横には梨華の姿もあった
瑠華はこっちに思い切り手を振っている
すぐに二人の元に向かう空と美佳子
すぐにたどり着き、二人に空は感謝した
「ありがとね!二人とも席取ってくれて。」
美佳子もお礼を言う
「ありがとう!!」
梨華と瑠華は顔を赤くして笑う
「えへへ!全然いいよ!ね、瑠華!!」
「うん!全然いいよね!瑠華姉ぇ!」
仲良く寄り添って座っている梨華と瑠華
そんな姿を見て、二人も自然と笑顔になる
二人の横に空と美佳子も静かに座った
そして、間もなくして試合が開始された
まるで甲子園のように多くの人が見守る
空は秀一のチームの優勝を手を合わせ願う
試合は一回表…二回表と順調に進み、三回裏
2回目の秀一の打順が回ってくる
試合は未だ0―0
2アウト一、二塁という微妙なチャンスだ
だが、ここで一点は取り、流れを掴みたい
相手のピッチャーは同期の野球部
秀一は相手の持ち玉は分かっている
しかし、相手は秀一の弱点も分かっている
秀一と共に笑うピッチャー
そして、第一球が投げられる!
一球目は…ボール、秀一は振らない
二球目…ストライク、秀一は見送った
一方の観客席では…
空と美佳子が固唾を飲んで見守り、祈る
梨華と瑠華は足をパタパタさせ遊んでいた
そして…三球目…ど真ん中ストレートだ
それを秀一は見逃さなかった
カキィィィン!!
秀一は思い切りバットを振り抜いた!
ボールは高く上がり
レフト方向に大きく飛んで行く
下がり、必死にボールを追うレフト
そして…レフトが後一歩キャッチというその時、レフト飛んだ…
直後、ズサァァァという
ダイビングの音とともに…
ボールは消えた!!
果たしてボールの行方は!?
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