第三話:見つめる:

2/2
前へ
/110ページ
次へ
保健室に入る二人 「どもーっす…。」 「失礼します…。」 秀一はすぐに保険医の先生に指を見せた 「練習中に思い切りぶつけたんですけど…。」 心配そうに見守る空 「派手にやったわね…。折れてはいないと思うけどひびぐらいならあり得るわ…。冷やしておくから早めに病院に行きなさい…。」 そう言われ、秀一の手には包帯を巻かれた それを見て更に心配になる空 二人が保健室を出ると、美佳子が立っていた 「あ、置いてっちゃってごめん美佳子…。」 「大丈夫…それより、手は大丈夫?天川君。」 「えっあぁ…この通り…。」 包帯で巻かれた手を見せる秀一 「あら、大変…お大事に。あ、空、ごめん。私、 急に用事出来たから先に帰るね。」 「えっ美佳子…?」 そう言い残すと美佳子はすぐに立ち去った 直後、空の携帯にメールが来た 6/8 17:21 From 橘美佳子 Sub (non title) ―――――――――――――――――― 秀一君と一緒に帰りなさい😃 怪我してるんだから彼に協力してあげて✨ じゃあまた明日ね空✌ ―――――――――――――――――― 空はこのメールを読み、微笑んだ 「まったく、美佳子ってば…ありがとう!」 空は、静かに携帯を閉じた 「秀一…今日はもう部活早退しなよ?」 空がそう言うと、秀一はゆっくりと頷いた 「あぁ…そうする。」 空は、秀一に荷物を取って来ると告げ、野球部のグラウンドに向け走り出した 「あ、おい空!!」 空の行動力に驚く秀一 そして、二人がグラウンドに辿り着くと 野球部の部員達がじろじろと見ていた 「おいおい秀ちゃん彼女かー!?」 「マジかよ!天川!!」 三年生の野次が入る 「ち、違います!止めてくださいよ先輩!!」 真っ赤になる秀一と空 「(嬉しい…秀一の彼女になりたいな…。)」 この日、空は秀一の制止を振り切り、秀一の荷物を全て持って秀一を自宅まで送った
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加