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第四話:不審:
翌日、笑顔で登校した空
空はすぐに席に座り
「一歩は進展できたかな?」
と一人で嬉しそうにニコニコしていた
すると、そこに背後から突然秀一が現れた
「おす…佐伯。」
丁度登校してきたらしい
今日は一人のようだ
空は秀一の声に驚き悲鳴を上げる
「きゃあっ!!」
秀一も空の声に驚く
「うおっ!お、驚かせたか?わ、悪い佐伯…。」
激しい動悸の中ゆっくりと振り返る空
「わ、私こそごめん!ど、どうしたの秀一?」
必死に動揺を隠そうとするも隠せない空
しかし、秀一は気にせず用件を話した
「あ、あぁ…えっと、その…だな…。」
恥ずかしそうに口ごもる秀一
「な、何かあったの?大丈夫?」
空が徐々に不安になり始める
それを見た秀一はもう焦ってしまう
「あ!いや、違う!指はただの打撲だって。
俺が言いたかったのは…そのだな…
昨日はありがとな!世話になった!
そ、それだけだ!!」
顔を真っ赤に恥ずかしそうに言う秀一
それを聞き、思わず空はきょとーんとする
数秒間でありながら長い長い沈黙
沈黙が終わると空はクスクス笑っていた
「あははは…!!」
「佐伯お前…何がおかしい!?」
顔が赤いまま反論する秀一
「違う!違うの!あのね…嬉しいの!!」
満面の笑みでさらっとそう言ってのけた空
しかし、直後に空は気づいた
“これでは告白してるようなものだ”と
驚き、すぐに撤回を試みる空
「ち、違うの!別に深い意味じゃないよ!?」
しかし、空のこの不用意な一言が…
全ての状況を一変させてしまう
「あ、あぁ…。いや知ってるけど…お前が俺を
大嫌いなのは昔から知ってたことだし…。」
「え…………?」
ズキッと空の心に激痛が走る
「あ…………う…………。」
空は言葉に…ならない、できない
「なのに…どうしてだ?ここ最近、急に俺によく近づいて来ては俺を気にかける…。
お前、いったい何を企んでるんだ…?」
秀一が空に追い討ちをかける…
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