第六話:想う心:

1/1
前へ
/110ページ
次へ

第六話:想う心:

「………こんな所にいたのね……空。」 空の後ろに現れたのは…美佳子だった 土砂降りの雨に打たれる二人 空はうつ向いたまま小さな声で言う 「美佳子…ごめん…あのね……」 必死に事情を説明しようとする空 「いいから…話さなくていい。」 そんな空を美佳子は制止する 「空に何があったのかは私には分からない。だからこそ私にはそれを聞く術がないわ…。だから、空が言いたくなったら話して…?」 そう言われ、空は再び泣き大きく頷いた 「ありがとう…ありがとう美佳子…。」 「大丈夫…私はどんな時も空の味方だよ。」 美佳子はぎゅっと空を後ろから抱き締める 空は、美佳子の暖かさを心から感じた 「ねぇ……美佳子……?」 空の問いかけに、美佳子はすぐに返事する 「ん?どうしたの?空。」 「あのね……寒い………。」 それは当然であった そんな空に、美佳子は小さく笑った 「あはは…バカ…。当たり前じゃない。 こんなひどい雨の中をじっとしてたら… あなた今風邪フラグぐんぐん急上昇よ?」 美佳子の言葉の意味が分からない空 「風邪フラグ…?それっていったい…?」 「あ、こっちの話よ…何でもないわ。 さぁ、早く中に入りましょう空…。」 美佳子が空に手を差し出す 「ありがとう…。」 美佳子の手を借り立ち上がる空 二人は手を繋いだまま校内へと戻った… しかし、二人は校内をびちゃびちゃになった制服で歩き回り…教員に怒られたそうだ そして、この日の夜、空はある決意をした…
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加