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第六話:想う心:
「………こんな所にいたのね……空。」
空の後ろに現れたのは…美佳子だった
土砂降りの雨に打たれる二人
空はうつ向いたまま小さな声で言う
「美佳子…ごめん…あのね……」
必死に事情を説明しようとする空
「いいから…話さなくていい。」
そんな空を美佳子は制止する
「空に何があったのかは私には分からない。だからこそ私にはそれを聞く術がないわ…。だから、空が言いたくなったら話して…?」
そう言われ、空は再び泣き大きく頷いた
「ありがとう…ありがとう美佳子…。」
「大丈夫…私はどんな時も空の味方だよ。」
美佳子はぎゅっと空を後ろから抱き締める
空は、美佳子の暖かさを心から感じた
「ねぇ……美佳子……?」
空の問いかけに、美佳子はすぐに返事する
「ん?どうしたの?空。」
「あのね……寒い………。」
それは当然であった
そんな空に、美佳子は小さく笑った
「あはは…バカ…。当たり前じゃない。
こんなひどい雨の中をじっとしてたら…
あなた今風邪フラグぐんぐん急上昇よ?」
美佳子の言葉の意味が分からない空
「風邪フラグ…?それっていったい…?」
「あ、こっちの話よ…何でもないわ。
さぁ、早く中に入りましょう空…。」
美佳子が空に手を差し出す
「ありがとう…。」
美佳子の手を借り立ち上がる空
二人は手を繋いだまま校内へと戻った…
しかし、二人は校内をびちゃびちゃになった制服で歩き回り…教員に怒られたそうだ
そして、この日の夜、空はある決意をした…
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