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カキーン、カキーンと乾いた音が響く。
球速は140㎞それを難なく打ち返す。
「す、すげぇ…」
打席には省吾が立っていた。
「ラスト!!!」
カキーンという音が響いた。
ボールはネットを突き破る位の
力強い打球となり球場なら文句なしのバックスクリーン直撃の当たりだった。
「ひゅー、流石は加藤省吾恐れ入ったぜ」
そう言うと次は昌也が打席に入った。
「おぃおぃ、コイツも化け物か…」
何故なら140㎞のストレートを
三方向にキレイに打ち分けていたからだ。
「はいー、ラストー!!」
最後は模範的なセンター返し。
「はいはーい、終了っと♪」
「次は…ぼ、僕か…」
昌也と入れ替わりで和也がバッターボックスに入る。
「なぁ加藤、斉藤って野手か?」
「省吾でいい、和也は投手だよ。それも本人は気付いてないがでっかいダイヤモンドの原石だよ。一度勝負したらわかるさ…まぁ打つ方では小技がキレる選手だな。」
「ふーん。」
省吾の言葉通り和也は一二塁間を抜く基本に忠実なバッティングだった。
「えい!!!」
だが、最後は空振り……
「はぁ、打てなかった…」
トボトボ歩いて出て来る和也に
昌也が一つの提案をした。
「おい和也、俺と一打席だけ勝負してくんない?」
「え……省吾…ど、どうしよ…?」
「受けて立つしかないだろ?調度この辺は使われてないグランドがいっぱいあるからな…」
おろおろする和也を尻目に
省吾はやる気満々だった。
「じゃあ決まりだな。行こうぜ♪」
そう言いバッティングセンターを
三人は出て行った。
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