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しかし、昌也はその後フルカウントから10球連続ファールで粘っていた。
「はぁはぁ……」
(ヤバいな…和也が疲れ始めてる…次の一球で勝負だ…こい和也、全力のストレートでねじ伏せろ!!!)
和也はワインドアップのゆったりモーションから全身の力を指先に集中して全力のストレートを投げ込んだ。
(きた、勝負球だ!!!!)
カキーンとグラウンドに響いた…
打球は左中間を抜けて結果的に文句なしの長打コースだった。
「やったー、俺の勝ちー!!!」
「省吾、打たれちゃった……はぁ…」
「まぁ気にするなって」
しょんぼりする和也とそれを慰める省吾を尻目に昌也は違う事を思っていた。
(最後の打球…感触は間違いなくバックスクリーンに飛び込む完璧な当たりだった…それが左中間にいったって事は球威に差し込まれたのか…まぁ仕方ないか…和也はまさか生で見られるとは思わなかったが天性のジャイロボーラーだからな…)
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