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彼女はオレの脇を通り、部屋の一角に設けられたキッチンに向かって歩きながら、ごく普通に答えた
「私は悪魔、又の名を冥使」
「メイジ?」
「そう」
「最後のだけ、聞き覚えがないんだけど」
「普通、天界に住む者を天使と呼びますよね
それと同じく冥界に住む者を冥使と呼びます」
「冥界?」
「つまりここは、冥界ですよ」
声が出なかった
呼吸すらも忘れていた
数秒の沈黙の後、今度は、彼女が口を開いた
「じゃあ、次は私が質問しますね
あなたは、自分が何者なのか知ってますか?」
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