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同時刻。
清美は自分の部屋のベッドの中央で横たわっていた。
キングサイズのベッド。
ベッドから見える部屋の扉が少し小さく見えるほどの広大な部屋の隅で――。
清美は呟く。
「……このままじゃいけないわ……」
この時。
清美が思い出したのは――。
昨日――9月29日。
『漣高校』で行われた剣道の試合において。
翔太を元気付ける為の言葉を――。
自分よりも先に。
楓が言い放った事だった。
「沙希には否定されたけど……」
そう呟きながら――。
清美は寝返りを打って天井を仰ぐ。
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