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「…………は?」
翔太は目をパチクリと瞬いて佐和子に問いかける。
「え、今、何て言った?」
「イヤ、だから別に一人旅は構わないって」
「……えっ、別に構わないの?」
「だから言ってるじゃないの、構わないって」
「ここは引き止めるシーンじゃないの?
母さんが俺を引き止めて俺が正当な理由を言って納得させるという在り来たりな――」
「私、在り来たりなドラマ嫌いなの」
「知らねーよ!
まさかそんな理由で引き止めるシーンを省いているとかは言わないよな!?」
「……そうよ」
「そうなのかよ!」
「冗談よ冗談」と佐和子は苦笑する。
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