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「その事なら心配しなくていいわよ、翔太」
そう言って――。
佐和子は笑顔で翔太を振り返った。
「明日から亮佑さんの酒代が生活費に変わるから」
「ゲホッゲホッ!」
ビールを飲んでいた亮佑が佐和子の発言にむせ返った。
「ちょっ、ちょっと待て佐和子――」
「だから」
佐和子は少し声量を大きくしてその言葉を言った。
亮佑の台詞を遮るように。
「翔太は何の心配もせずに行って来ていいのよ?」
「い、イヤ、だからそれは――」
「解ったよ母さん」
翔太は両目をキラキラと輝かせながら右の拳をグッと握った。
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