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ケンはミサのお家を振り返り、振り返り家路を急ぎました。
『またご主人に怒られちゃう』
家に帰ると、予想以上にカンカンに怒ったご主人が、ケンの帰りを待ちかまえていました。
「一体今までどこに行ってたんだ、このバカ犬が!!」
靴べらのようなものでケンは激しくぶたれました。
「キャン!キャン!」
『ごめんなさい…僕ただ、誰かとお外を思い切り遊んでみたかっただけなの』
「これでもう、逃げねぇだろ」
鉄格子の固い檻の中に入れられたケンは、ろくに散歩にも行かせて貰えず、次第にやせ細って行きました。
「ウォン!ウォン!」
『遊んで…ねぇ僕と遊んで…』
「うるさい!近所迷惑だ!餌ならやってるだろう!!」
男は固い鉄格子の檻をけりとばしました。
ケンはびくっと身をすくめました。
「ったく…こっちは仕方なく世話してやってるっていうのにキャンキャン鳴き喚きやがって!!」
ガチャン!
男は乱暴に檻の鍵を開けました。
そして素っ気なく言い放ちました。
「望み通り自由だ。どこにでも行きな」
ついにケンは捨てられてしまいました。
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