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部屋の中には世界中のどんなトイレにも負けない程の臭いが立ちこめていた。
その中心に彼女はいた。
村田由利。現時点で確か小学校4年生だったはず。
しかし、4年生には大抵見えないほどに体は痩せ細り、体中に特殊メイクのような痛々しい傷が描かれていた。
「おい、なんだこりゃ」
追いついてきた女を睨む。
「知らないねえ」
その形相に恐れたのか、目を背けながら言った。
「こいつはお前の娘だろうが。何でこんなことになってんだ?ダイエットには見えねえぞ?」
「だから知らないって言ってんだろ!!第一、プライバシーの侵害……」
言い切る前に女の顔面を殴り飛ばす。
あまりにきれいなクリティカル・ヒットに自分の拳が血に染まるのが分かった。
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