予期せぬ敵

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翌日の月曜日……。 この日は祝日なのでツバサは遅めに目が覚めた。 寝癖で髪の毛をクシャクシャにしたままテレビを無意識的につける。 朝のニュースのチェックはツバサの毎日の習慣となっている。 テレビではまったく変わらず、例の事件について報じられていた。 人々が知りたい情報を届けるのがニュースなので、こればかりを報じるのも仕方ないことなのだろうとツバサは思う。 「……犯人達に繋がる跡がありませんからねー。警察は人物の特定もできず、銃や煙を発生させた装置の仕入れ先もわからない……。つまりまったく手付かずの状態というわけです」 男性キャスターがとても熱心に語っているのをツバサはつまらなそうな表情で見つめる。
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