すべての原点

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彼女の後ろを歩いているというより、歩かされているという方がふさわしい、周りとはあきらかに異なるもう一人の人物。 周りの人間より身長が少し低く、見ただけでは少年か少女かまったく分からない。 それもそのはず。 顔には目隠し。 手や足には鉄の枷。 黒の短パン以外何も身につけていない身体には肩から腰まで分厚い革ベルトを腕も含めてグルグル巻きに拘束され、歩行以外の行動は許されない。 まさに大罪人の姿そのもの。 そんな風貌で性別が判断出来たならたいしたものだ。 黒髪もなめらかで肩まであり、それだけならば少女のように思えるが、拘束具の隙間からのぞく身体にはしる幾多の傷痕はその考えを掻き消すかのごとく酷く、醜い。 まだ渇ききっていないところを見ると、最近つけられたばかりのようだ。
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