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林を探すと、彼は死体から少し離れたキッチンのテーブルに居た。
ワイングラスが2つ並んでいる。
確か被害者は単身赴任中だったはずだが…。
彼が手袋をしてグラスを持ち、灯りに透かしてみると片方のグラスには口紅の跡が見えた。
『死後1日から1日半、毒物みたいです』
林は無言のままグラスの中のニオイを嗅いだ。
両方のグラスとも中身は残ってない。
2つを嗅ぎ比べ小出に渡してきた。
小出も手袋をはめてグラスを受け取る。
慎重に確かめるとアルコールのニオイと片方からは紛れて渋いニオイがした。
『こっちがニオイます…』
『だな』
林は短く返事をすると鑑識にグラスを渡し、キッチンから死体までの距離を測り始めた。
軽い歩幅で3歩。
3メートル弱ぐらいか。
そういえば…
ダークはどこへ行った?
あれから見ていないが。
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