File1「にゃんこ失踪事件」

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そのメールに返信があったのは昼休み。 『把握した。 ミトリは文芸部部長にアポを取っておくこと』 と、短い指示の内容だった。 (文芸部部長は確か……) 入学時に貰った部活紹介の資料を思い出す。 (三年二組の文月 詠(あやつき えい)さんだったかな?) 指示通り三年二組の教室へと向かったものの…… (誰が文月先輩か分からないよ!?) ここまで来てから気づく南鳥も南鳥だが…… 「おお、どうしたお値段以上少年」 「その呼び方止めて下さい!!」 廊下で立ち往生していた南鳥に声をかけてきたのは部長。 「まあ、いいです。 文月先輩ってどなたですか?」 もういつもの事なのでため息一つで軽く流す。 「文月? なんだミトリ少年、告白か?」 あんたがアポ取れって言ったんでしょうがーー!! という心の叫びは押し隠し。 「いえ、アポを取りに……」 この人は自分が言った事を覚えてないの……!? 「……文芸部部長って文月だったんだ」 ダメだコイツ、早くなんとかしないと……!! 「こらこら、新世界の神みたいな目で人をみるんじゃない」 と、そんな会話を交わしつつなんとか文月先輩が誰かを聞き出す。
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