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そのメールに返信があったのは昼休み。
『把握した。
ミトリは文芸部部長にアポを取っておくこと』
と、短い指示の内容だった。
(文芸部部長は確か……)
入学時に貰った部活紹介の資料を思い出す。
(三年二組の文月 詠(あやつき えい)さんだったかな?)
指示通り三年二組の教室へと向かったものの……
(誰が文月先輩か分からないよ!?)
ここまで来てから気づく南鳥も南鳥だが……
「おお、どうしたお値段以上少年」
「その呼び方止めて下さい!!」
廊下で立ち往生していた南鳥に声をかけてきたのは部長。
「まあ、いいです。
文月先輩ってどなたですか?」
もういつもの事なのでため息一つで軽く流す。
「文月?
なんだミトリ少年、告白か?」
あんたがアポ取れって言ったんでしょうがーー!!
という心の叫びは押し隠し。
「いえ、アポを取りに……」
この人は自分が言った事を覚えてないの……!?
「……文芸部部長って文月だったんだ」
ダメだコイツ、早くなんとかしないと……!!
「こらこら、新世界の神みたいな目で人をみるんじゃない」
と、そんな会話を交わしつつなんとか文月先輩が誰かを聞き出す。
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