File1「にゃんこ失踪事件」

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「では、そういう事ですので詳しくは放課後に……」 放課後、部室に来て欲しい旨を伝えると二人とも二つ返事でOKしてくれた。 その後、教室に戻り午後の授業を受ける。 ――そして、放課後。 「遅ぉおおぉい!!」 部室の扉を開けた瞬間謎の物体が飛来してきた。 「うわぁ!?」 それを間一髪でかわす。 鼻先を掠めていったそれは何やら腐臭がしたが…… 「なに投げたんですか、部長!?」 それが直撃した時のダメージを考えると背筋が寒くなる。 「私の靴下」 「汚いもん投げないでくださいよっ!!」 当然のように言う部長は片方の靴下を履いていなかった。 「む、汚いとは心外だな。 せっかく脱ぎたてを放ってやったというのに」 ぶすーっとむくれながら部長が拗ねる。 可愛くねぇ……!! 「まっっっったく必要のない心遣いありがとうございます!」 「まーそう言うなって」 ははは、と笑いながらもう片方の靴下を脱ぎ――― 「投げんなぁああ!!」 またも飛来した臭気兵器を紙一重でかわす。 「なかなかよく避けるな、ミトリ少年」 人間の生存本能が成せる技か、自分でもビックリだ。
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