File1「にゃんこ失踪事件」

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他にも何か落ちてないかを探る南鳥。 すると、すぐそばに布切れのようなものが落ちていることに気付いた。 「うわ、なにこれ!?」 それは布切れではなくハンカチだった。 ―――"黒ずんだ血"が付着した。 (こ、これは間違えなくしょ、証拠品だよね!?) こちらは速攻でポケットに突っ込む。 もう一度辺りを見回してみたが、他には何もないようだった。 (これだけのものがあれば部長も何も言わないよね) 再び草を掻き分け来た道を引き返す。 「うわっ!?」 茂みを抜けた所で人と鉢合わせてしまった。 「あばばば、ぼ、僕はアヤシイものではないデス!!」 慌てて弁解を試みたもののカタコトな上にかなり怪しい。 「何を言っているんだ、ミトリ少年」 と、そこにいたのは部長だった。 「……て、あれ?部長?」 今さらながら先程の弁解を聞かれたのかと思うと恥ずかしい。 なるほど、これを「穴があったら入りたい」というのか。 「そうだ、部長だ。山見里 京都だ。皆のアイドルだ」 ……最後のはどーだろう。 とは思ったけど言わない。部長がご満悦だから。
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