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他にも何か落ちてないかを探る南鳥。
すると、すぐそばに布切れのようなものが落ちていることに気付いた。
「うわ、なにこれ!?」
それは布切れではなくハンカチだった。
―――"黒ずんだ血"が付着した。
(こ、これは間違えなくしょ、証拠品だよね!?)
こちらは速攻でポケットに突っ込む。
もう一度辺りを見回してみたが、他には何もないようだった。
(これだけのものがあれば部長も何も言わないよね)
再び草を掻き分け来た道を引き返す。
「うわっ!?」
茂みを抜けた所で人と鉢合わせてしまった。
「あばばば、ぼ、僕はアヤシイものではないデス!!」
慌てて弁解を試みたもののカタコトな上にかなり怪しい。
「何を言っているんだ、ミトリ少年」
と、そこにいたのは部長だった。
「……て、あれ?部長?」
今さらながら先程の弁解を聞かれたのかと思うと恥ずかしい。
なるほど、これを「穴があったら入りたい」というのか。
「そうだ、部長だ。山見里 京都だ。皆のアイドルだ」
……最後のはどーだろう。
とは思ったけど言わない。部長がご満悦だから。
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