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「然るべき所にですが?」
もちろん警察だ。
うん、部長には悪いけどやっぱりこういうのは野放しにしてちゃいけないよね。
「まあ待ていいから待てとりあえず待て。
本当はこっちを見せようとしたんだ」
慌てて出された部長の携帯に写っていたのは一人の女子生徒。
「これは……盗さ……
いや、文学部の部員ですか?」
よく見ると部活案内のパンフにあった集合写真に写っていた顔だ。
「何を言いかけたかは聞かないでおこう。
で、よく分かったな」
今までにない感心した眼差しを向けてくる。
「まあ、入学時に貰ったものの内容は全部覚えてますから」
はい、と携帯を返すが部長はそれに目もくれず南鳥の両肩をがっしり掴む。
「それは……本当か……?」
俯き、表情が見えないのですっごく怖い。
「え、えぇ、まあ……」
ガクガクと部長が震え出す。
「ふ、ふふふふふ……
さすが私、まさにさすが私!!
まさかテキトーに引き込んだ者がこんな機能を備えていようとは!!」
完全に自分の世界に入り込んでしまっている。
これは、まずい……気がする。
「ミトリ!!
君は完全記憶能力者とでもいう禁書的存在なのだな!?」
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