忘れた頃にやってくる。

2/21
前へ
/434ページ
次へ
ギターのチューニングがいつもよりうまくいったとココロの中で喜んでたら、マルがバカな事を言いだした。 「なぁ、チャーミー? あのドーナッツ食べたい。」 「あのドーナッツ?」 「超行列出来るってとこ。」 「えー、マル……、 これからライブなのにあんな甘いの食べる…の?」 「だって、すぐそこだし……ぃ」 語尾が消えてしまった、男の小さな声。 この赤い頭が不憫になって、徒歩5分位の行列が出来るドーナツショップに向かった。 サイ(ボーカル/男)とヒカリ(ドラム/男)は……、誘うよりも早く、リハ前、ライブハウスのフロアからこっちも見ずに手をひらひら振って送り出してくれた。 .
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12321人が本棚に入れています
本棚に追加