忘れた頃にやってくる。

4/21
前へ
/434ページ
次へ
「その恰好どした?」 マルが真っ黒なコーヒーを吸い上げながら、上目遣いで私を眺めた。 ミルクもシロップも入れないのに、なんでドーナツ食べたがったかなぁ。 「今日やる新曲の雰囲気がロックのクセにセクシーだからー。あとはー、ん、何となくー。」 黒い透け感のあるタイツに黒い光沢のあるミニのキャミワンピ。 私の愛しいギター、ファントムが真っ白だから、きっとワンピはそれを引き立ててくれる。 そう思って。 「お?珍しくやる気じゃん!」 マルは手放しで喜ぶけど。 ……キーボードに影響されたなんて 口が裂けてもいえない。 .
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12321人が本棚に入れています
本棚に追加