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「なん?チャーミー、それでいくん?」
楽屋でパイプ椅子の座面をトタトタ叩いていたヒカリが、スティックでワンピの裾をぴらりと持ち上げた。
「ちょ、バカっ。
も、さ。ステージにスカートで立つの初めてでさ。」
だから、ドキドキしてる。
合わせて履いた、少し高いヒールが心配。
「コケんなよぉ?」
やんわり笑う、ヒカリは優しい。
リハ中、サイに私が怒られている時も、真っ先にかばってくれる。
そんなサイとは、今日未だにクチをきいてないけど……。
1バンド目の音が聞こえ出すと、やっぱりテンションは必然的に上がって来て、フロアに飛び出して、とにかく身体を揺らす。
本番までフロアで過ごすのは、私とマル。
地上に向けて伸びる外階段に座って過ごすのは、サイとヒカリ。
私達の出番は3バンド目。
それぞれ、気持ちを作りながら時間を過ごす。
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