一目会ったその日から。

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「マルー?」 ぶんっ、って音がする位の勢いで振り返ったのは、うちのベースのマル(男)。 赤いドレッドヘアが自慢なんだけど、たまにいつも練習で使ってるスタジオにぼっとりと一束落ちてたりするから、すごく怖い。ドレッドは痛むと根元から容赦なく、取れる。 ハゲちゃうよ……、マル。 「おぉ、チャーミーじゃん。 どしたん?珍しい。」 「DMBQ流れてたからー。」 「そんな事だろうと思ったよーー。」 わはは、といつもの如く豪快に笑うと、マルは手にしていた軍パンを棚に戻して、私と同じ目的地へ足を向けて歩き出した。 .
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