一目会ったその日から。

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王将の横を通り過ぎて、その目指していた場所はすぐそこ。 同じ目的の人がその場所に立ち止まると、とても小さい椅子に座った身体の大きなスキンヘッドの男の子が立ち上がる。 「たまらないでくださーい。」 彼の目につかない場所にマルと立ち止まって、少しだけ知り合いが通らないか眺めるのはいつもの習慣で。 タバコに火を付けたマルがダルそうに口を開く。 「いっこだけ知らないバンドが出るんだよ。チャーミー知ってる?」 「んー?何て名前?」 「なんだっけかなぁ……、 わかんねえや。」 聞いといて何よ。ってマルの腕をつねった。 知り合いのバンドに誘われて、通い慣れたライブハウスにライブを見に来ていた。 私達はここに月2回位のペースで出ているから、知らないバンドが出る事の方がニュースだった。 .
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