一目会ったその日から。

6/14
前へ
/434ページ
次へ
基本、フロアに入るとマルとは別に行動してた。 お互い話したい人が違うし、好きな場所で音を聞きたいから。 もう1バンド目が始まっていて、人はまだまばらだったけど、マルは早速どんな機材を使ってるのか気になったらしく、あの赤い頭を揺らしながら、ベースを弾いている子の前にゆっくりと歩いて行く。 私は真ん中から少し後ろでステージ全体を見渡すのが定番--- ステージが暗転して、 メンバーが機材を片付け始めた。 1バンド目は……、あまり好きな感じじゃなかったな。 マルがくるっと振り返ると溜息をつきながら歩いて来る。 .
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12321人が本棚に入れています
本棚に追加