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「うん……」
半泣き状態のミーシャの頭を撫でる。
「ありがとな。おかげで助かったよ。ミーシャは良い子だな」
そのまま抱っこして、どうにか泣き止ませようと努力する。
努力すること数分、ようやくミーシャが泣き止んでくれた。そして、それと同じタイミングで騒がしい集団が此方に歩いてくるのを確認した。
「お兄さん、何の騒ぎですか!?」
真っ先に寄って来たミカちゃんに掻い摘んで説明する。
「かくかくじかじかで、ミーシャが助けてくれたんだ。それで、いきなり襲ってきた奴らは蔦に捕まってぐったりしてるよ」
足を縛られて逆さに吊らされている男達は、まるで死体のようだ。頭に血が下がって来ているのか心なしか顔が赤くなってきている。
「コ、コイツらは……ッ!」
そこで声をあげたのはティアだった。吊らされたソイツ達を見て、心底驚いたようだった。
リエちゃんは既に玩具に夢中な様子で、動けずに吊らされていることを良いことに振り子のようにして遊んでいる。
「ティア、ソイツ等と知り合い?」
遊んでいるリエちゃんは放置。現状を発展させることを優先しよう。
「コイツらは……私のクラスの生徒だ。それでいて学園史上最悪コンビにして、学園最強コンビ。それに付け加えて、その強さは王都騎士の最強レベルと同等以上あるとのことだ。学園に入っていなければ、色々な所から出動要請が沢山来てるはずだ……まぁ、アイツらを束縛しようとするものならば、抵抗で街の一つや二つは簡単に吹き飛ばされるだろう―」
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